2018.03.14
01. 零式13型「愛」 [櫻井敦司 / 今井寿]
02. 美醜LOVE [櫻井敦司 / 今井寿]
03. GUSTAVE [櫻井敦司 / 今井寿]
04. Moon さよならを教えて [櫻井敦司 / 今井寿]
05. 薔薇色十字団 - Rosen Kreuzer - [櫻井敦司 / 星野英彦]
06. サロメ - femme fatale - [櫻井敦司 / 星野英彦]
07. Ophelia [櫻井敦司 / 星野英彦]
08. 光の帝国 [今井寿 / 今井寿]
09. ノスタルジア - ヰタ メカニカリス - [今井寿 / 今井寿]
10. IGNITER [今井寿 / 今井寿]
11. BABEL [櫻井敦司 / 今井寿]
12. ゲルニカの夜 [櫻井敦司 / 今井寿]
13. 胎内回帰 [櫻井敦司 / 今井寿]
胎内から始まって胎内に還るこのアルバム、BUCK-TICKの新境地という評価を何回か目にしたんだけど、まさにそうですね。思いっきり振り切ってたのしませるエンターテイメント性とシリアスなテーマが同居していて 生と死、愛と死、美醜、光と闇、過去と未来、相反するものがギュッと詰められている。このテンションの振り幅を1つのアルバムでやってのけるというのはすごいと思うんだよね~。
それから映像的という評価があってな るほど!と思った。オープニングM01からSF的な胎内世界に連れていかれるし、M09は荒廃した未来都市の路 上、M12は小さな街の映画館...イメージが頭の中に浮かぶ。あとこのコメントを書いていて気がついたのだけれど、音源ではライブが想像しにくいサウンドなのにライブがはちゃめちゃ最高です。
サビがCatsしか言ってない、猫好きが高じて作られたディスコナンバーM03はライブで聴きたい曲の上位。 あっちゃんがねこになったり今井さんが猫じゃらしで挑発したりします。元の音源にはないもののライブではギターの音も猫の鳴き声にしか聞こえない。もちろん観客は猫の手です。正気の沙汰ではない!笑 どの映像見てもヒデがやけに楽しそうなんだよな。今井さんのダンス炸裂してるからそちらに隠れがちなんだけどめっちゃ跳ね回ってる。いつもわかりやすくブチ上がらない英彦がここまで楽しそうだと嬉しいんですよね...。 と、最初の頃は思ってましたが。今は知っています。本当の星野英彦はウインクばちーん!指先でキッスを飛ばす、けしからん男だったよ(ほめてる、大好き)。おっと話が逸れた…。
中盤、サロメとオフィーリア、2人の悲劇の女性がモチーフの星野ゾーンは安定の麗しさ。ハムレットって改めてあらすじを見返すと本当に血塗れ。でも美しく仕上がっております。狂気の末自ら小川に入って流れていくオ フィーリアの死に様も、ミレーの絵画のイメージ単独だと美しいけどこの文脈ではむしろ不気味よね。
そしてM08やM11、やや厨二くさいものを本気でやってカッコよくしてしまうんだからもう。横向きのピースサインを目の前でスライドさせるというあまりにそれっぽすぎるフリを全力でかましてくるあっちゃん。沸き上がる歓声。正気の沙汰ではない!好きです!!
そしてラストM12・M13、ここまでは結構楽しい方やフィクションに振り切ってきていたけど、最後やっぱりリアルに生きるとか死ぬとかになります。
M13はライブが凄まじい。どんどん、もうどんどん表現力を増して きたあっちゃんがまたひとつ上の領域に突入した感じを受けた。叫ぶようなこの曲、みるたび、聞くたび、心が ひりひりと詰まるような気持ちがする。
ここでも何回も書いているようにみんな歳を重ねていくうち荒くなく歌 うようになっていくんです。この荒さはただの荒さじゃない。命を削って歌うってこういうことなのだと鳥肌が立ちました。
BUCK-TICKのアルバムの中で好きなものって言われたらものすごく迷うけど、今作も選択肢に絶対入る。
Comments