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L'Arc~en~Ciel

 ラルクのことを知ったのは中学生の時。今も当時の関係の中で1番の友達であり、わたしに邦楽の扉を開いてくれたクラスメイトの女の子が好きだった。その子が好きなバンドというイメージだったラルクに初めて出くわしたのは当時みた音楽番組。HYDEがドレッドヘアでくねくねしてた(曲は覚えていないんだけど年から推察するに多分「XXX」もしくは「Chase」を見たんじゃないかと思う)。その時はとてつもなく大きな違和感が残ったのをよく覚えている。+の感情はなくて、どちらかといえば…いえ、嘘はやめよう。キライでした。あのくねくねが、今では大好物のくねくねが、当時のわたしにはどう受け取っていいか全くわからなかった。その時の抵抗感があまりにも強くって、その後VAMPSやHYDEソロを聴くようになった後も、ラルクだけには手が伸びなかった。何かのきっかけで「Honey」だけは何回か再生していたんだけど他のものは全然聴いてなかった。代表曲と言って差し支えないであろう、「虹」や「花葬」ですら。

 

 そんなわたしがようやく真正面からラルクと向き合ったのは大学生になってから。卒論に追い詰められて逃避のために改めて映画「MOON CHILD」をアホのように見ていた日々、こんなにHYDEに魅せられているのにラルクを未だまともに聴いたことないのいい加減まずくない?と思ってCDをレンタル(あれ、なんか聞き覚えのある流れですね??)。もうあっさり、しっかりとハマった。大学生になっていろんな音楽に出会って、ハードロックやパンクだけだった頃よりも、自分がいいと思える音楽の間口がかなり開けていたのも幸いしたと思う。そういうわけでラルクにたどり着くまで初めて目にしてから7年以上かかりました。好きだけど、出会ったのは割と最近。ここにかけることももはや、リアルタイムで見ていた人なら好きでなくとも知っているであろうペラいことしかない。

 

 リーダーtetsuがラルク=ヴィジュアル系とカテゴライズされることを嫌っているというのは知られている話かなと思うのだけど、バンドの自己認識はともかくの外側からの「ラルクがヴィジュアル系ではない」という見解にはずっと疑問だった。けど1公演で8万人を動員した2014年の国立競技場の映像を見た時初めて、ああそっかと思えたのでした。ラルクという船を率いるのてっちゃんが、ヴィジュアル系と括られることに抵抗していなかったら、それにファン側もしたがっていなかったらこの光景はなかったのかもしれないなって。V系と括られるアーティストのライブを見ると、やっぱり全員とは言わずともおててふりふりしている映像に出くわす。わたしは彼らが大好きだけどそういうライブにはまだ行ったことがないし正直混ざってしまえば楽しいだろうなと思いつつも全く抵抗がないと言えば嘘になる。ルールとかわからないもん。ラルクはその点開けている。マディソンスクエアまでいってアリーナツアーもする、性別も関係なく若かろうが歳を重ねていようが、長年のファンだろうが初めてだろうが楽しめるように、音楽を純粋に楽しむための余計な障壁を取り除かれている。V系と括られることが壁になりうるっていう嗅覚、そして流されず絶対に認めないというその強い意志なしではここまで多くの人に支持されるバンドにはならなかったろうな。実際V系は聞かないけどラルクは好きという声もちらほら耳にする。HYDEの歌い方はV系の系譜上にあると思うのだけど、ポップとロックの中庸をいくような曲の雰囲気、いい意味であんまり意味が強すぎない歌詞も、だからどんな時でも聴けるものね。

 

 30周年ツアーのチケットを取ろうとしたときにジャニーズと同等かそれよりえぐいかもしれない囲い込みがあることを知ってしまい、コロナの中首都圏に行くことも相まって尻込みしてしまって今回は見送っちゃった。それに最近はそれぞれのソロ活動の方に重心があるようにも見えるし、新曲も出てはいるもののなんだか煮え切らないなあと思っていたんだけど、映像を見たらやっぱり1度は行きたいなあ…!ってなっているところでございます。ま、新曲に関してはそもそも神がかった曲がたくさんあるからそれを超えてくるものとなるとなかなかね。もしこれは!!というのが出てきた時にはそれは相当な名曲ですわよ。

 

 ところで、その映像を見ていたらなんかあれ?てっちゃんとゆっきー歳とるって概念忘れてる??ってなりました笑 52歳と53歳だよね????え???HYDEはYouTubeの配信とか見てこのひとも人間であったか…って思ったりしてるんだけど、お化粧してステージ立ってるとあっれ?52歳とは??ってなるし、この人が天使で妖精なのはもう仕草とか表情とかであって、シワが増えようがステージの上では天使で妖精なんだ。まともに年取ってるのケンちゃんだけじゃんね。もはや怖いって…!

​ favorite 

『25th L’Anniversary Live』2018

 いや好きなら好きなシングルかスタジオアルバムあげなよ!?てめえ本当に好きなのかおい!?ってツッコまれそうなのだけど、HYDEの歌い方が個人的にイッチバン好きなのがこの音源なの。ラルクの名曲たちを一気にきけるし。わたしはレコーディングの音源>基本ライブの音源な人間なのだけどこのアルバムはパワーが、パワーがすごいんだ。

 それにこうして取り混ぜてきいてみるとラルクの曲ってその時々ぜんっぜん違う雰囲気なのに、紛れもなくラルクでしかない。HYDEが歌っていてもソロの曲はどうやったってラルクではないし、tetsuのソロもyukihiroのAcid Androidも全然違う。唯一Kenのソロに関しては曲自体にはラルクっぽさはあるのだけどなんか違う(これが「ラルクの芯はけんちゃん」ってHYDEが言うゆえんなのかも)。だからあの4人が揃って、4人が4人でできることをやろうとした時に、ラルクはラルクたりうる。個が集まってバンドとなるわけだけれど、決して足し算ではない。掛け算?いやいやもっととんでもなく飛躍するよなあって思っていたらHYDEともてっちゃんとも関わりのあるMORRIEがこんなことを言ってました。

 

「バンドって基本的には化学反応であって、1+1+1+1が5とか6とか数字になるのではなくて月になったり宇宙になったり、まったく質が違うものになるのが醍醐味なんです。」 原典はこちら

 

そうなんだよお、月になったり、宇宙になったり、しちゃうんだ。どのバンドもそういうことだと思うけれど、ラルクに関しては本当に魔法のよう…!と思います。

MUSIC VIDEO

「Blurry Eyes」1994

 カラオケでしかみられなくて、いくたび入れてる。YouTube解禁になってもやっぱりドラムサクラちゃん時代だからこれは上げられてないのだよね~。フワフワウェーブなロングヘアのHYDEがほんと美しい。天使か。そしてみんな若いよう。今では考えられないくらい、ケンちゃんもてっちゃんもお化粧バッチリです。…って思ってたら何とYouTubeに公開されちゃったよ!!信じがたい…!!

「HONEY」「花葬」「浸食~lose control~」1998

 このもはや伝説のシングル3枚同時発売、「HONEY」と「浸食~lose control~」がオリコンの1位と2位を独占してた年、わたしようやくこの世に生まれました。楽しめる時代に生まれてたかったよもー!それにしても「HONEY」はともかく、こんなにゴシックでダークでとっつきにくく、決して受け入れやすくない雰囲気の2曲がしっかり売れているという事実、凄い。「浸食~lose control~」のMV今見てもちょっと怖いのに!

「STAY AWAY」2000

 最後の合成ダンスのシーンがあまりに強烈に印象に残りすぎていたんだけど、あのダンスってほんとに最後の最後だけで、改めて見返してみると鼻からカフェオレを吹き出すシカの剥製とか訳のわからないものがたくさん映っている。この曲はプロモーションの仕方にわあってなった。曲名も「New Single」、発売日も「2000/?/??」のまま、曲が完成していくレコーディング過程をそのままCMにしたり、めっちゃ踊るミュージックビデオができた後は「ラルク踊るんだよ」「…これ合成なんだけど」っていうネタばらしCMが放映されたりとか、MVが初公開されたのが音楽番組じゃなくてニュースステーションだったとか。リアルタイムでみられていたらめちゃくちゃワクワクしたんだろうなあ。

「XXX」2011

 MVでは美女たちが所狭しとうじゃうじゃ飲酒していて、もう映像なのに肌の匂いというか爛れた匂いがしてくる。この中にいて気持ち悪くないのはラルクだけよ。と同時にこの映像が違和感なく似合う「XXX」という曲の色気よ。

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